タイに移住する前に絶対に考えておくべき保険について
タイで生活をするにあたり、心配なのは病気や怪我の時。
タイには日本語通訳が常駐している病院がたくさんあり、そのような私立病院は医療のレベルも高いので治療自体は心配する必要はありませんが、もし大きなけがや病気で入院などとなると日本に比べても高額な治療費が発生します。
ですので、移住前に医療保険に関しては十分に検討しておく必要があると言えるでしょう。
今回はタイで使える保険について詳しくご紹介していきます。
タイで使える保険にはどのようなものがあるの?
タイの病院で使える保険は大まかに以下の4つのパターンがあります。
- 日本の国民保険に継続加入
- 海外旅行保険に加入
- タイ現地で医療保険に加入
- タイの社会保険を活用
それぞれの保険に関して、特徴をご紹介していきます。
日本の国民健康保険に継続加入
まず手っ取り早いのは日本の国民保険に継続して加入しておく方法です。
継続加入しておくためには、タイに住んでいながら日本に毎月住民税と健康保険料を支払わなければならないので、自動で引き落としてもらえるよに日本で一定の貯蓄額を残しておく必要があるのですが、日本へ一時帰国した際にも保険適用額で病院にかかる事が出来る点がメリットと言えるでしょう。海外旅行保険はあくまで旅行中の保険、タイの社会保険や任意保険やタイ国内の事故や病気をカバーすることが目的のため、日本での通院・入院については利用することができません。
海外で病院にかかった場合でも、日本へ帰国後に費用変換手続きをすれば、治療費の70%が返って来るので実質負担額を軽減できます。
ただしこの手続きが何とも大変…。一時帰国中の限られた期間で手続きに奔走するのはデメリットに感じる方も多いでしょう。
また日本の国民健康保険に加入するためには、住民票を残し、日本の住民税も支払う必要があります。住民税の基礎となる収入はタイで稼いだものも含まれますので、タイでの収入によっては、思ったよりも保険料は高くなるかもしれません。
日本の国民保険に継続加入はこんな方におすすめ
日本の国民保険に継続加入しておくのは、以下のような方が向いています。
- 日本にかかりつけの病院があり、定期的に利用している
- タイ移住後も日本へ頻繁に帰る可能性が高く滞在期間も長い
あくまで日本の保険ですので、タイに長く住んで日本には年に1,2度帰国する程度で良いと考えている方には不向きかもしれません。
ちなみに2,3か月に一度くらいのペースで日本に頻繁に帰る方は国民保険を継続加入しながらタイの医療費はクレジットカード付帯の海外旅行保険で賄っているケースも結構多いです。
クレジットカード付帯の海外旅行保険も馬鹿になりません!ゴールドカードといった上位カードに付帯する海外旅行保険は、購入する海外旅行保険よりも保障が厚いこともあります。
ただ、カードによって「利用付帯」といって、旅行に関する費用(=飛行機代やホテル代)を支払った場合にのみ、保険が適用されるものもありますのでご注意ください。
海外旅行保険に加入
海外旅行保険は、日本の保険会社で申し込みをする海外長期滞在者向けの保険です。
タイで働く駐在員や、タイに留学する学生が加入するのもこちらの保険が多いです。
費用は現地の医療保険に加入するよりも高いのですが、怪我や病気の際の医療費だけでなく、盗難などのトラブルにも対応して貰える点が医療保険とは違う安心感があります。
費用としては年間20万円~とそれなりのお値段になります。また加入できるタイミングは、原則、日本出国前となっていますので、日本の海外旅行保険に加入をされたい場合には、事前に加入手続きをすませておきましょう。
長期の海外旅行保険を提供している会社
- 長期の海外旅行保険を提供している会社は多くありますが、人気なのは以下3社。
- 東京海上日動
- HS損保(エイチエス損保)
- 損保ジャパン
これらの保険会社はタイの病院でのキャッシュレス診察に対応しており、対象の病院で上限額までなら保険カード提示のみで診察を受けることが出来ます。
そして24時間対応のサポートデスクが設けられているので、トラブル発生時の対応方法なども丁寧にアシストして貰えます。
また、医療だけでなく、盗難や飛行機の遅延、ロストバッゲージ、緊急時の通訳など様々な場面で活用できるのが海外旅行保険の強みと言えるでしょう。
各社の海外旅行保険の比較についてはこちらをご参照ください。
海外旅行保険の加入はこんな人におすすめ
タイでの生活でトータルにサポートしてもらえるので、金額が高くても安心感を優先したい方におすすめです。
同じ保険会社の海外旅行保険でも様々なプランが選べるので、ご自身のニーズに応じたアレンジが可能です。
タイ現地での医療保険
タイ現地での医療保険の加入は、タイ国内の保険会社(タイ国内の保険会社といってもAIAやプルデンシャルなど欧米の保険会社もタイに進出しています。)で医療保険に加入する方法です。
タイ国内の多くの企業では、社会保険の他に現地の医療保険をタイ人スタッフや現地採用の外国人向けに会社で加入してくれる場合が多いです。
加入後は対象の病院で補償額以内であればキャッシュレスで治療可能となります。
保険料と補償額の目安
保険料は年齢や保証の内容などで差があるので一概にどうとは言いにくいのですが、大体年間20,000~30,000バーツの保険に加入しておけば、通訳付きの私立病院をキャッシュレスで利用できるのではないかと思います。
補償額が高くなればもちろん保険料も上がっていくのですが、
- 通院日額:3,000バーツ
- 入院日額:5,000バーツ
20,000~30,000バーツの保険で大体上記くらいの金額がカバーできるプランが多いです。
他にも年間補償額の上限や歯科保険の有無、事故の一時金など色々な条件があるのですが、サミティベート病院のように日本人に人気の私立病院では内科での1回の診察でおよそ2,000~3,000バーツとなるので、まずはそれがカバーできるくらいの保険であることを前提に選ぶのが良いかと思います。
英語のサイトになりますが、一括見積がとれるサイトもあります。
タイでの民間医療保険の加入方法についてはこちらをご参照ください。
タイ現地での保険加入はこんな人におすすめ
現地の医療保険は、タイに1年以上滞在している方は必ず入っておくべきと言えるでしょう。
海外旅行保険は1~2年と上限が決まっている場合も多いので、長期で滞在を決意したのであれば早いうちに現地の保険に切り替える事をおすすめします。
逆に1年未満で帰国予定の方はこれまで話した国民保険の継続加入や海外旅行保険を活用した方が良いです。
タイの社会保険
最後にタイで仕事をする人が加入している社会保険についてご説明します。
社会保険は日本の国民保険のようなもので、給与から毎月5%、上限を750バーツとして天引きされる代わりに指定病院なら無料で診察を受ける事ができるというものです。
無料で診察してもらえるなら、社会保険に加入すれば万事解決では?と思うかもしれませんが、社会保険を活用できるのは加入時に自身で指定した1つの病院のみなのです。
指定できる病院もローカルの病院に限られていて、医療レベルも私立病院とは雲泥の差。
タイ語が堪能な方であれば、ちょっと風邪っぽい時に診察を受けて薬を無料で貰ったり、保険を適用させて歯科を利用して歯石取りをしたりというお得な使い方も可能ですが、基本的に英語も通じない世界なので、少しハードルが高いです。
タイの社会保険と日本の医療保険の比較についてはこちらをご覧ください。
まとめ
今回はタイで使える保険についてご紹介しました。
結局どれも一長一短というイメージですが簡単にまとめると、
- 日本に頻繁に帰る方は国民保険の継続加入+クレジットカード付帯の海外保険
- 治療以外もフルサポートを望むなら長期海外旅行保険
- タイに1年以上住む予定で、日本へもあまり頻繁に帰らないのであれば現地の医療保険
といった感じです。
尚、複数加入する事ももちろんできるので、日本の保険を継続加入しながら現地の保険に入ったりするのも賢く保険を活用するにはおすすめの方法です。
自分が病気や事故になる事なんてそうそうないだろうと後回しにせずに、タイへの移住が決まったらまずはしっかりと調べて自分に合う保険について考えてみてはいかがでしょうか。